龍って架空の生き物
西洋の神話において、ドラゴンはサーペント(大蛇)のような姿をしている。ラテン語のdracoはギリシャ語のδράκωνに由来している(「はっきりと視る」の意のδέρκομαιから派生)。ドラゴンは翼のある生物とされるにもかかわらず、とくにゲルマン系の伝説ではしばしば地下の洞穴をすみかとしている。
スラヴ神話のドラゴンは、ズメイと呼ばれる。この竜は人間とよく似た性質を持っている。たとえば、ブルガリアなどの伝説では、ドラゴンには雌雄があり、人間同様の外見の差異が認められる。雌雄のドラゴンは、まるで兄弟姉妹のように見えるが、農耕神としては全く違う性質を持っている。
メスのドラゴンは、人類を憎んでおり、天候を荒らしたり作物を枯らしたりして、兄弟であるオスのドラゴンといつも喧嘩をしているとされる。それに対してオスのドラゴンは、人を愛し、作物を守るとされている。炎と水は、ブルガリアのドラゴンの神格を表すのによく使われ、メスのドラゴンは水の特質、オスのドラゴンは炎の特質とされることが多い。ブルガリアの伝説では、ドラゴンは3つの頭を持ち、蛇の体に翼を持つ生物とされている。
ロシアやベラルーシ、ウクライナでは、ドラゴンは悪の存在であり、四本の足を持つ獣とされている。そう高くはないが知性を持ち、しばしば小さな町や村を襲い、金や食物を奪う。頭の数は1~7つ、もしくはそれ以上であるが、3~7の頭を持つのがもっとも一般的である。頭は、切り口を火であぶらなければ復活するとされる。しかし、ジランダ、チュヴァシ竜のような例外的に敵対的ではない竜も存在する。ロシアは中央アジアの遊牧民族の侵攻を度々受けており、そのため中国や中央アジアの竜信仰が伝播されたためである。
ドラゴンの血はとても有毒であり、地表にも吸い込まれないとされる。西洋の物語において、往々にドラゴンはお姫様を幽閉しており、水中にいる。英雄がこれを殺してお姫様と結ばれる。ユングの主張する心理学の見方においては、これは男子が母親の支配を打破して自らの選んだ妻と結ばれる、という物語であると見る。つまりこの見方におけるドラゴンは、母親の原型の影である。(参考文献:wikipedia)